桜前線も北上し春爛漫、山陽自動車道を東に、神戸ファッション美術館へ向かう。
当館で「型絵染 三代澤本寿展」を観た。「三代澤は、芹沢銈介との出逢いにより
型絵染の道へ、柳宗悦との出逢いで民芸思想に触れ、暮らしの中に美を見出し
信州松本の伝統工芸の向上に尽力した。後に中近東、アジアに取材し独創的な
デザインで、屏風やパネル、のれんやタペストリー、表紙画など多くの作品を遺して
いる。」 ファッション美術館の展示室の壁面は、赤や青など独特な色の壁紙が使用
されていて、そこに型絵染の作品を展示するのは、非常に難しかったと思われる。
しかし学芸員の色彩感覚が優れているのか、展示技術を発揮され違和感は無かった。
三代澤の線と色は、壁の色に負けること無く、しっかりと主張し観る者の目に心に深く
印象付かせた。
昼食は酒所、灘五郷の一つ魚崎郷にある櫻正宗の櫻宴で和食膳をいただいた。
この席でないと味わえないと言う特別な冷酒も賞味した。外に出ると桜花が顔に
映るのか、目元がほんのりと桜色に染まっていた。
次に大阪市立陶磁美術館に向う。館蔵品は「安宅コレクション」の散逸を恐れた
住友グループの努力で、一括して大阪市に寄贈されたものである。大阪市はこれを
受けて美術館を設立した。その後も各方面からの寄贈を受け、東洋陶磁器の質、量
とも世界一級のコレクションを誇っている。今回は企画展「濱田庄司の茶碗展」を
観た。益子の陶工 濱田庄司については、説明の必要は無いだろう。
濱田と言えば掛け流しの大皿が印象深いが、茶碗も数多く作っている。渋くて滋味な
ものが多いが、軽快な絵付けに、濱田の茶に対する心が感じられる。私は、鉄絵が
好きだ。
当館には国宝が二点ある。今回は元時代、龍泉窯の飛青磁花生が、自然光を
取り入れたケースに展示されていた。他に李朝のコーナーは見逃せなく、眼を
見開いて時間を忘れた。集合時間が迫り、慌ただしく館を後にしバスに戻った。
頭に収まりきれない美しいものの溢れた旅行となった。
(※一部「三代澤本寿展」のチラシより引用させていただきました。「」内)
会員 記
岡山県民藝協会では、春と秋に旅行を計画しています。多くの方に民芸を感じて
いただけるように、会員以外の方の参加も歓迎いたしております。ホームページ
または、協会会員に予定を確認されて、どうぞお申し込みください。
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