2013年4月8日月曜日

2013年 春の旅行 報告



 桜前線も北上し春爛漫、山陽自動車道を東に、神戸ファッション美術館へ向かう。
当館で「型絵染 三代澤本寿展」を観た。「三代澤は、芹沢銈介との出逢いにより
型絵染の道へ、柳宗悦との出逢いで民芸思想に触れ、暮らしの中に美を見出し
信州松本の伝統工芸の向上に尽力した。後に中近東、アジアに取材し独創的な
デザインで、屏風やパネル、のれんやタペストリー、表紙画など多くの作品を遺して
いる。」 ファッション美術館の展示室の壁面は、赤や青など独特な色の壁紙が使用
されていて、そこに型絵染の作品を展示するのは、非常に難しかったと思われる。
しかし学芸員の色彩感覚が優れているのか、展示技術を発揮され違和感は無かった。
三代澤の線と色は、壁の色に負けること無く、しっかりと主張し観る者の目に心に深く
印象付かせた。
 昼食は酒所、灘五郷の一つ魚崎郷にある櫻正宗の櫻宴で和食膳をいただいた。
この席でないと味わえないと言う特別な冷酒も賞味した。外に出ると桜花が顔に
映るのか、目元がほんのりと桜色に染まっていた。
 次に大阪市立陶磁美術館に向う。館蔵品は「安宅コレクション」の散逸を恐れた
住友グループの努力で、一括して大阪市に寄贈されたものである。大阪市はこれを
受けて美術館を設立した。その後も各方面からの寄贈を受け、東洋陶磁器の質、量
とも世界一級のコレクションを誇っている。今回は企画展「濱田庄司の茶碗展」を
観た。益子の陶工 濱田庄司については、説明の必要は無いだろう。
濱田と言えば掛け流しの大皿が印象深いが、茶碗も数多く作っている。渋くて滋味な
ものが多いが、軽快な絵付けに、濱田の茶に対する心が感じられる。私は、鉄絵が
好きだ。
 当館には国宝が二点ある。今回は元時代、龍泉窯の飛青磁花生が、自然光を
取り入れたケースに展示されていた。他に李朝のコーナーは見逃せなく、眼を
見開いて時間を忘れた。集合時間が迫り、慌ただしく館を後にしバスに戻った。
 頭に収まりきれない美しいものの溢れた旅行となった。
(※一部「三代澤本寿展」のチラシより引用させていただきました。「」内)
                                  会員 記

 岡山県民藝協会では、春と秋に旅行を計画しています。多くの方に民芸を感じて
いただけるように、会員以外の方の参加も歓迎いたしております。ホームページ
または、協会会員に予定を確認されて、どうぞお申し込みください。

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